仙台国際ハーフマラソン レポその5 〜ちょびの名は。後編〜 そしてゴール
自分でも書いていてストーリーが壮大になり過ぎて困惑しています、てぃーけーです👮
二度とこんなレポートは書けないと思っています。全ての出会いに圧倒的感謝です。
それではゴールまで駆け抜けます、ちょびの名は。後編、スタート!
確かなことが1つだけある、僕達はスライドすれば、絶対すぐにわかる
てぃーけーは走り続けた。雷さまの台風から仙台国際ハーフを守る。
びあー、ちょび、Mac、アザゼル。みんなで完走してビールを飲む。
士気は高い。自分自信を育ててくれたマラソンへの限りない恩。その恩を限りなく返そうと心の中で叫んでいた。
『目指せ2時間切り! 感謝の仙台国際ハーフ!』
様々なトラブルがあった。
長いトイレ待ち、Dブロック最後尾からのノロノロスタート、定禅寺折り返しでの交錯、ピカチュウ仮装おじさんへの嫉妬。
この困難な状況にてぃーけーは全く動じる事はなかった。これだ!これこそが逆境だ!
てぃーけー、15km地点、宮城野原駅を過ぎ薬師堂橋に差し掛かる。運命のスライド区間だ。
ちょびは19km地点、仙台国際ハーフマラソン、最後の難所である薬師堂橋を駆け上っていた。
坂を上っていると、なぜか泣いている事がある
ちょびはその短い足からは想像もつかないストライドで顔を左右に振り、鬼の形相で坂を上っていた。眼鏡の奥には涙が溢れていた。
てぃーけーは熱き鼓動を抑え小さく呟いた。
『10000人を超えるランナーから、ちょびを見つけ出す。』
ランナーとランナーがスライドするカタワレ時。てぃーけーは見逃さなかった。なんせちょびが着ているのは視認性抜群の水色はてブロT、これは本当に目立つ。
(参考画像)
(ここでお願いするのもアレですが、はてブロTのノースリーブverの再販を密かに期待しています)
言おうと思ったんだ。ちょびが仙台のどこにいても、必ず頑張れって応援するって
ここだ!ここしかない!遠目からちょびに声をかける。
「ちょびさーん! 頑張れー! ちょびさんー!」
ちょびは気付かない。ちょびの足は既に限界を迎えていた。
聖和高校のブラスバンドによるジュピターを聴き、彼は竹内涼真に成りきっていた。
そう、短い足をフルに使ってのストライド走法は彼の股関節に深刻なダメージを与えていた。
そしてちょびは、普段は周囲からちょびとは呼ばれていない。あくまでちょびはハンドルネームなのだ。
本当の名前で呼ばなければ、ちょびは気付かない。刹那的にてぃーけーは理解したのだ。
てぃーけーは焦った。
このままでは、大事な1円玉を無くしてしまった怒りで雷さまが台風を起こしてしまう!
大事な大会。終わらせたくない。思いださなきゃ!
ちょび父の四川風麻婆豆腐の味は今でもはっきり憶えている!
ちょび母がゴリ推しするご飯がススムくんキムチも憶えている!
足の短さも、顔のデカさも、糞みたいな眼鏡の掛け心地も憶えている!
でも名前が!ちょびの名前だけが思い出せない!
大切な名前、忘れちゃだめな名前!誰だ、誰だ、誰なんだ、ちょびの本名は? 何だチミは?
ちょびの名前は!?
てぃーけーは決断した。
思い出せないものは思い出せない。本名なんて関係ねぇ!俺たち、はてブロランナー!
ハンドルネームで呼び合うのが筋ってもンだろ?こうなりゃパワープレイだ!!
おらーーーー!
ちょびーーーー!!!
物凄い怒号が鳴り響いた。周囲のランナーが皆びっくりしてこっちを見ている。
ーー☆ー★ー☆ーー☆☆ー★ーーー
この瞬間
顔をくしゃくしゃにして走る
ちょびが
てぃーけーに
気付いた
(イメージ)
うぇ!
うぇあーーーい!!!
『う』とも『あ』ともとれない情けない声を出したちょび。彼はてぃーけーとして入れ替わっていた時の生活を思い出した。
スピードとスタミナには自信があった。しかし筋力トレーニングからは目を背けていた。
てぃーけーの部屋にあったプリズナートレーニング本。
ちょびは夢中で読み漁り黙々と取り組んだ。こうして坂道に屈しない筋力と精神力を身に付けた。
全ては、この瞬間の為にあった。
間髪入れず、てぃーけーが叫ぶ。
ちょびーーー!
頑張れーーーー!!!
走れ、陸王
てぃーけーが発した「ちょび、がんばれ」
ちょびにはこう聞こえていた。
『茂木、がんばれ』
ランナーがすれ違うカタワレ時。今ここに、本日2回目の奇跡が起きた。
ドラマ陸王に入れ込み過ぎるあまり、茂木に自分を重ねていたちょび。
ただゴールするために走るんじゃない。
勝つために走るんだ。
ちょびは竹内涼真、いや、ちょび内涼真に生まれ変わった。
短かかった足は20cm伸びた、単純にストライドが20cm伸びたと仮定しよう。
現在19km地点、残りは2kmだ。キツい上り坂を上っているちょびの現在のペースはキロ4:30、このままいくとサブ90は不可能。
雷さまによる台風でマラソンは中止だ。
このグラフをご覧いただこう。
お気づきだろうか、ストライドが約20cm伸びる事で、ちょび内涼真はキロ4:30から自然にキロ4:00付近を刻めるのだ。
20km通過のネットタイムは1:25:25。
90分切り、届くか届かないかのラインだ。
キロ4分を刻んでいければ、サブ90は間違いない。
勝利を、信じろ。
決戦、仙台陸上競技場
ちょび内涼真は止まらない。いや止まる事ができないのだ。
はてブロランナーのため、ちょび父、母、ブッチャー、愛する地元、仙台のため! こはぜ屋の存続のため!
フィニッシュゲートのある陸上競技場に入る、ラストはトラック勝負だ!
受けた事のない大声援がちょびに降り注ぐ。
茂木ー! がんばれ! 茂木ーーー!
BGM : エビデーーー アイリッスン トゥマィハーーーーー ひとりじゃーーなーーーいーーー
こはぜ屋の面々、さかもっちゃん、上白石なんとか。小藪、ピエール瀧も応援している。
何より女性からの応援が多い!シュッとしたスタイル、小顔、サラサラヘアーを手に入れたちょび内涼真は大人気。黄色い声援にご満悦、ドーパミンどっぱどぱだ!
ラストスパートはこの日最速のキロ3:41ペース! 東北のスピードスター、ちょび内涼真、此処に在り!!!
ちょび内涼真、ゴール!
1:29:49。サブ90だ。ちょびの長い闘いは最高の結果で幕を閉じた。
しかし、どこのメーカーか分からないGPSウォッチを止めた瞬間、ちょび内涼真から短足顔デカ糞メガネに戻ってしまった。
人生そうそう上手くいかないものである、だっふんだ!
ピカチュウおじさんへのリベンジを誓う男
てぃーけーはその頃、いつまでも来ない折り返しに絶望しながら走っていた。
右膝が死に、ちょびも苦しんだあの坂はトレランの様に膝に手をつき、キロ7分ペースで何とか登りきった。
ラストの競技場トラックでは川内優輝選手の応援「このペースだと2時間切れるよ!」に感動、両手を広げながら1:55:18でゴール。
唯一の心残りはピカチュウ仮装おじさんに負けてしまった事、来年のリベンジを固く心に誓った。
陰のMVP
びあーはその実力を遺憾なく発揮。こみ上げる尿意に打ち克ち、3年目にして念願のトップランナーとのスライドに成功。無事にサブ90を達成していた。
誰の力も借りず雷さまの怒りを半分鎮めた彼は真の強者、陰のMVPだ。
志村、ギターに感動
Macは謎サプリ『つらーず』を原液イッキ飲み。不調を乗り越え風のように疾走。
定禅寺ライブカメラにエアギターパフォーマンスを披露し、偶然にもスライド区間でちょびにエールを送っていた。
これには志村もニッコリ。
劇中歌を聴いていた奇跡の人
アザゼルはナイキの厚底シューズ、ズームフライに浮かれ、序盤ペースを上げすぎるも持ち前の意志の強さで復活。
途中、お花摘みや靴紐がほどけるハプニングもあったが自分のレースを楽しんだ。
尚、偶然にもレース中のプレイリストに君の名は。の劇中歌、RADWIMPSの夢燈籠と前前前世が含まれていたようだ。
全てが繋がっていく奇跡。
愉快な仲間たち
ちょび父とちょび母は仙台泉のショッピングモール、アリオで麻婆豆腐の食材とキムチを買っていた。
志村は仙台国際ハーフの成功を見届け「嬉しいナァ〜」と、ピンク色の妄想お色気シーンに突入。
高木ブーは1円玉と台風の事はすっかり忘れ、寝ていた。
一方、仙台国際ハーフマラソン大会アンバサダーのQちゃんこと高橋尚子は大勢のランナーとハイタッチをしながら、自身の出演CM、ヴァーム2004年Ver. を思い出した。
『ババン バ バンバン ヴァーム ♪』
『飲まなきゃだめだコリャ!』
雷さまでおなじみ高木ブーと女子マラソン界のレジェンドQちゃんがCM共演していた事を君達は憶えていただろうか?
組紐は人の手によって編まれ、長い時間かけて様々な人の手に渡り、人と人の間を結んでいく役割を果たしている。
ちょびの名は。では『ヴァーム 』がそれにあたる。ヴァームはQちゃんと高木ブーを繋ぎ、多くのランナーに飲まれ、仙台国際ハーフマラソンの公式ドリンクとして大会を支えている。
※君の名は。とドリフを繋げたのは僕の個人的な趣味で偶然だったのだが、まさかヴァームのCMまで絡んでくるとは思わなかった。完全に忘れていました。これは奇跡だと思います。ヴァーム、飲まなきゃだめだコリャ!
エンディングテーマ
TK-WIMPS/ランでもないや
長い間 飲み過ぎた酒は
どこから加齢臭を 運んできたの
吐いたりしたその後の後悔は
てぃけに 断酒を決意させたんだ
いつもは辛すぎた父のマーボーが
今日は酸っぱく感じました
顔デカも眼鏡も足の短さも
切なくて ちょびは 茂木を真似たよ
あと1分でいい あと30秒でいい
あと少しだけでいいから
あと10秒でいい コンマ1秒でいいから
仙台で サブ90しようか
ぼくら はてブロランナー
星を 送り合うブロガー
購読解除 荒らし 炎上
は もう嫌なんだ
嬉しくて 飲むのは
飲み過ぎて 吐くのは
ちょびの心を
てぃけが追い越したんだよ
祭りの後
こうして笑いと涙に溢れた仙台国際ハーフマラソンは成功裏に終わり幕を閉じた。
常軌を逸したハプニングを乗り越え、はてブロ東北ランナーズはそれぞれのゴールに辿り着いた。
しかし、その足を止める事はない。
ゴールの先には次のゴールが待っているだけだ。
はてブロランナーズ、そして全ての市民ランナーに、ありがとう。
最後に雷さまコントの黒いおじさんからの有難いお言葉です。
『現状に満足しては、だめだコリャ!』
『次のレース、走ってみよーーー!!!』
おしまい。
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創作話はこれでおわります、以後は普通のレポートに戻ります。
書いていてとても楽しかったです。一生忘れない思い出になりました。
次回はゴール後の打ち上げと後日談と今後の目標を書きます。
さいならっきょ👮